ビックバンから複数回のスプリントへ~アジャイル手法はなぜ重要なのか

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July 25, 2021担当 北川 裕康

 

クラウドサービスは、自社でオンプレミスのソフトウェアとハードウェアを購入し、インストールし、メンテナンスするのとは全く異なる体験です。自前のシステムでは、システムのパフォーマンス、セキュリティ、イノベーション、ビジネス上の利益など、実行はSI会社かもしれませんが、すべての責任をお客様がもちます。クラウドサービスでは、システムの日々の運用管理を他の人=SaaSベンダーが行うことで、お客様はビジネスの運営に集中することができます。

そして、クラウドサービスだけの方法ではないですが、定期的に更新されていくクラウドサービスの特性に合わせてその導入は、ビッグバンと呼ばれるウォータフォール方式ではなく、複数のスプリントをまわすアジャイル方式が選択されます。

アジャイル方式は、以下のような特長があり、6-9カ月のスプリントという開発サイクルを、何回も回して、常にアプリケーションを進化させていきます。

  • 複数回のGo Liveを計画
  • 3ヵ月後に最初のプロトタイプを完成させる
  • 最初の3ヶ月間は変更要求なし
  • 運用開始日を変更しない
  • リモートデリバリー
  • 企業文化の変革
スプリントサイクル
6-9カ月のスプリントという開発サイクルを、何回も回して、常にアプリケーションを進化させる

現在のように、テクノロジーが急速に変化して、ビジネスの視界が悪い環境では、何年か先を想定してアプリケーションを開発することは、大きなリスクを伴います。Go Liveしたのはよいが、ビジネス環境の前提が分かって、あまり使いものにならないという事態になりうるからです。また、ビッグバンの名前のとおり、開発期間が長い大規模な開発になるため、品質を担保するのもかなり難しくなります。そして、PoC程度では、実施使用が開始されるまでエンドユーザーの真のニーズは分からないことも多いと考えられます。

複数のスプリントをまわすアジャイル方式
プロジェクトの長期化や品質リスクを軽減する優れた開発手法

アジャイル方式は、これらのリスクを軽減する優れた開発手法です。少し前の2019年のガートナー、アプリケーション開発 (AD) に関する調査結果を発表をみても、「大企業では既に7割がアジャイル型によるADを採用または採用予定 環境の変化が激しいデジタル・ビジネスの時代における大企業の危機意識が表れる」とアジャイル手法が拡大していることが伺えます。

以下に、アジャイル方式とウォータフォール方式の比較表を載せます。どちらも利点と欠点があり、アプリケーションの特性に合わせて、選択する必要があります。

欠点

ウォータフォール-ビッグバン

カーネル+全サイトのロールアウト

  • ロールアウトの排除
  • すべてのサイトで新しいソリューションを同時に稼働させることが可能
  • 全体的な導入コストの削減
  • 共通のビジネスプラクティスに合意して構築されたシングルカーネル
  • プログラム全体の導入期間が概して短い
  • プログラム全体の総コストを削減
  • 複雑なプロジェクト管理 - 大規模なプロジェクトチームが、世界各地や時間帯をまたいで活動する可能性がある
  • サイト間で共通のビジネスプラクティスに合意することはより困難
  • プレッシャーのかかる学習環境
  • 完全なテストが困難な場合もある
  • 一時的な生産性の低下
  • ローカライズが必要な場合は、最初から必要となる

アジャイル-段階的

カーネル+最初のサイトのロールアウト、その後他のすべてのサイトのロールアウト

  • 共通のビジネスプラクティスに合意して構築されたシングルカーネル
  • 展開するサイトの数が少ないため、複雑さが少ない
  • プロジェクトの進行に合わせて小さな問題を修正できる
  • トレーニングに時間がかかる
  • 段階的なテストが可能
  • ローカライゼーションを段階的に展開できる
  • サイト間での共通のビジネス手法の合意が困難になる
  • 導入コストの増大
  • プロジェクトチームの疲弊
  • レガシーシステムを使用しているサイトでは、一時的にインターフェースが必要になる場合がある
  • 財務、報告、コンプライアンスへの影響
  • タイミングによっては、組織が常にアップグレードモードになる可能性がある
  • ROIの遅延

↓表形式が閲覧しにくい方は、箇条書き形式で再度、掲載いたしますので下記をご覧ください。↓

ウォータフォール-ビッグバン

カーネル+全サイトのロールアウト

【利点】

  • ロールアウトの排除
  • すべてのサイトで新しいソリューションを同時に稼働させることが可能
  • 全体的な導入コストの削減
  • 共通のビジネスプラクティスに合意して構築されたシングルカーネル
  • プログラム全体の導入期間が概して短い
  • プログラム全体の総コストを削減

【欠点】

  • 複雑なプロジェクト管理 - 大規模なプロジェクトチームが、世界各地や時間帯をまたいで活動する可能性がある
  • サイト間で共通のビジネスプラクティスに合意することはより困難
  • プレッシャーのかかる学習環境
  • 完全なテストが困難な場合もある
  • 一時的な生産性の低下
  • ローカライズが必要な場合は、最初から必要となる

アジャイル-段階的

カーネル+最初のサイトのロールアウト、その後他のすべてのサイトのロールアウト

【利点】

  • 共通のビジネスプラクティスに合意して構築されたシングルカーネル
  • 展開するサイトの数が少ないため、複雑さが少ない
  • プロジェクトの進行に合わせて小さな問題を修正できる
  • トレーニングに時間がかかる
  • 段階的なテストが可能
  • ローカライゼーションを段階的に展開できる

【欠点】

  • サイト間での共通のビジネス手法の合意が困難になる
  • 導入コストの増大
  • プロジェクトチームの疲弊
  • レガシーシステムを使用しているサイトでは、一時的にインターフェースが必要になる場合がある
  • 財務、報告、コンプライアンスへの影響
  • タイミングによっては、組織が常にアップグレードモードになる可能性がある
  • ROIの遅延

インフォアの実装アプローチ

当社では、Infor Agilityを、インフォアの業界特化型のクラウドを導入するためのサービスとして提供します。Infor Agilityは、アジャイル導入を実現するためのプログラムであるImplementation Accelerators、プロセス・インテリジェンス、移行ファクトリ、TaaS(サービスとしてのテスト)を提供します。そして、その主要コンポーネントであるImplementation Acceleratorsは、業界毎のベストプラクティスな業務プロセスフロー、設定済のアプリケーション、テスト用スクリプト、サポート用文書など、お客様の業務プロセスを標準化するための検証可能なリファレンスモデルを提供することで、迅速かつ無駄のない導入を実現します。

Implementation Accelerators
Infor Agilityの主要コンポーネント:Implementation Accelerators

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