食品・飲料メーカーにもインダストリー4.0技術

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May 8, 2022担当 北川 裕康

消費者の信頼を築き、維持するために必要な透明性と共に、CO2排出での企業の責任、食品の安全性、品質、コンプライアンスは、世界の食品・飲料メーカーにとって重要な課題です。

現在の消費者は、自分たちが口にするものについて、より多くの情報を求めています。私ごとですが、この年齢で、甲殻類のアレルギーが発症し、注意深く食材を選ぶようになりました。原材料や栄養成分だけでなく、その食品がどこで生産されたのか、動物は人道的に扱われたのか、その食品が環境にどのような影響を与えているのかなどを知りたがっているのです。また、消費者は企業の環境維持に関する方針や取り組みについても、知りたがっています。

企業が社会とともに長期的に成長するためには、経営においてESG(環境・社会・ガバナンス)の3つの観点が必要だという考え方が世界中で広まっています。企業への投資も、ESGの観点で判断されつつあります。

食品や飲料の製品がオーガニック認証を受けているか、グルテンフリーか、地元で生産されているかといったすでに一般的になっている情報の開示に加えて、栽培や加工にどれくらいの量のCO2が排出されたかなど、要求される情報は多岐にわたり、さらに増え続けていく見込みです。

また 食品調達と流通のグローバル化が進む中 食品調達と流通のグローバル化が進むと、メーカーはより多くのサプライチェーンの選択肢を持ち、より多くの顧客と接することができるようになります。一方で、グローバリゼーションは、汚染や疾病の蔓延といったリスクが発生することも意味します。汚染や疾病の蔓延といったリスクが、より一般化し、複雑化する可能性があるということです。衛生が高い日本にいると想像しづらいですが、実際、世界保健機関(WHO)は 世界保健機関(WHO)の推計によると、毎年、およそ6億人が汚染された食品を口にし 世界保健機関(WHO)の推計によると、毎年、約6億人が汚染された食品を食べた後に病気になり、そのうち42万人が最終的に死亡しています。そのうちの42万人が最終的に死亡しています。このようなリスクとそれに伴う結果を考慮して、世界的に食品・飲料業界は強く規制されています。これは、今後、世界の市場に活路を見出そうとしている日本の食品・飲料メーカーにもかかわることです。

透明性を求める現代の消費者のニーズに効率的に応え、食品の安全性を維持し、CO2排出を削減して、刻々と変化する規制に対応することは企業の規模にかかわらず、ほぼすべての食品・飲料メーカーにとって大きなチャレンジとなっています。

透明性の高いサプライチェーンの透明性を確保し、原材料の追跡を可能にすることで、信頼性を高めることができます。また、すべての原材料と製造工程を詳細にデータで記録することでの可視化および文書化は、課題解決とともに、社会的な信頼の基盤となります。

そして、多くの食品・飲料メーカーは、現在の技術システムやビジネスプロセスでは、今日の競争の激しいグローバル市場で求められるレベルのサプライチェーンの透明性とトレーサビリティをサポートできないことに気付いています。

これらの課題解決を実現するための鍵は、「第四次産業革命」(4IR)とも呼ばれる「インダストリー4.0」によって利用可能となった技術を活用することです。インダストリー4.0をサプライチェーンのエコシステムに組み込むには、サプライチェーンをデジタルに変換し、多数のサプライヤー、物流業者、パートナーにわたって上流と下流の成分や製品の追跡を可能にする必要があります。疑わしい原材料を追跡・特定し、問題を切り分けるには、モノのインターネット(IoT)技術の活用と、エンドツーエンドのネットワークベースのサプライチェーン・トレーサビリティの組み合わせが不可欠です。

サプライチェーンの透明性とトレーサビリティは、正しく機能すれば、データによる可視化が可能です。それによって、消費者の信頼とブランドの強化、食品の安全性の確保、廃棄物の削減といった付加価値をもたらします。そして、サステナビリティ対応を全面的にサポートします。「インダストリー4.0」は、工業製品だけでなく、食品・飲料メーカーにとっても不可欠な技術になりますので、要チェックです。

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