ネットワーク化されたスマートファクトリーで顧客との距離を縮める

smart factory

February 6, 2022担当 北川 裕康


パンデミック規制の継続、継続的な物流問題、石油などの原材料の価格上昇により、メーカーは2022年も引き続き忙しく仕事をしなければならないことになりそうです。
さらに、SDGsのトレンドによるサステナビリティの動きは、製造拠点の再調整を求める継続的な圧力となっています。ほとんどのメーカーは、顧客との距離の近さや生態系への配慮といった要素よりも、労働とビジネスの費用が安価である国に労働力が移動するか”グローバルの労働裁定取引”によってもたらされた地理的な制約から未だに抜け出せずにいます。

効率性を高めるために、多くのメーカーがIoTやAIなでのインダストリー4.0の技術を導入し始めています。一部の国内メディアでは、インダストリー4.0の普及は今一つだったとの論調が見られるのですが、世界経済フォーラムで最近、頻繁に取り上げられているように、4IR (The Fourth Industrial Revolution)は、日本語では「第4次産業革命」はこれからが本格化します。4IRでは、IoTや工場間のネットワーク化、ロボティクスだけでなく、AIや3Dプリント、ブロックチェーン、ビッグデータ、ロボティクス、デジタルツインなどの高度なデジタル製造技術の融合を特徴としており、こうしたテクノロジーの革新によって世界の産業環構造が大きく変化していくのです。

インダストリー4.0は、スマートファクトリーが1台の生産ロットで利益を生むという約束で登場しました。このコンセプトは、サイバーフィジカルシステムを導入し、産業界の様々なプロセスを共有、分析、インテリジェントな行動を導き、機械をよりスマートにし、ダウンタイムを低減させるために導入されました。アナリティクスは、物流、需要予測、生産スケジューリング、品質管理、生産能力向上、効率化など、他の側面にも活用されています。

しかし、先ほど述べたように、インダストリー4.0の真の可能性を活用するためには、まだ革命は始まったばかりなのです。4IRの基盤となるスマートテクノロジーは、グローバルな製造拠点を再設計し、工場を市場の近くに配置し、物流の悪夢を減らし、サプライヤーや顧客を含むエコシステムのパートナーの可視性を向上させる可能性を提供すると考えます。

グローバルな製造拠点を再調整するためのテクノロジー導入の時期

では、将来を見据えたスマートファクトリーを実現するための戦略として、最も重要なテクノロジーの要素とは何でしょうか。

  • 顧客は、高度にパーソナライズされた製品や、より充実した顧客体験をますます求めるようになっています。メーカーは、製品のパーソナル化、サービス化などの実現のため、より高い柔軟性の要求を満たす能力を得る目的で、高度でアジャイルなクラウドベースのソリューションを採用しています。
  • 物流の遅延や輸送コストを削減し、より持続可能な生産を目指すとともに、最終消費者との距離を縮める必要があるため、企業は最先端のテクノロジーの支援を受けながら製造拠点を再設計し、顧客の近くに小規模でスマートな工場を建設するようになっています。
  • スマートな意思決定には、データを統合し、エンド・ツー・エンドの可視性が必要です。そのためには、商業面、調達面、業務面を含む、製造ビジネス全体にわたる統合的なビューが必要です。
  • 受注システム、生産現場、サプライチェーンにまたがる緊密な連携と合理化されたプロセスにより、システム全体のキャパシティと要求管理、およびフェイルオーバーの選択肢を最適化します。
  • サプライチェーンの課題に迅速に対応するためのグローバルな視点と指揮系統。受注、出荷、在庫の単一ビューと共有デジタルプロセスで運用される接続されたサプライチェーンは、速度の向上に必要な可視性と、混乱にタイムリーかつ効率的に対応するための俊敏性を提供します。
  • AIによるインサイトを利用したよりインテリジェントな自動化は、自動調整を行う組立ラインを実現します。
  • 工場間の連携のためにネットワーク化も重要になります。5Gを使うことで、今まで、孤立していた工場を安価に高速に接続可能になりました。

これらのスマートテクノロジーにより、小規模な製造拠点は顧客の近くに位置することができます。しかし、生産者は、どのように製造拠点を移転するかという根本的な経営判断に至ることができるでしょうか。そのために必要な最も重要な要素は、優れたインテリジェンスです。確かに、製造業は事業全体で多くのデータを活用しています。しかし、そのデータは、インサイトに満ちたビジネス上の意思決定を可能にするために、リンクされ、一貫性を持ち、処理されているでしょうか?

スマートファクトリーとは、高度にデジタル化され、ネットワークで接続された生産施設のことです。AI、IoT、ロボティクスなどのテクノロジーを活用し、企業が製品を製造し、新しいビジネス価値を生み出し、データに基づくインサイトを引き出し、ビジネスプロセスを自動化またはシンプル化できるよう支援します。これらのテクノロジーは、品質と全体的な安全性を向上させながら、人々がより生産的かつ効率的な方法で仕事をすることを可能にします。人とテクノロジーの新しい協調関係です。同時に、これらのテクノロジーは、スマート工場が製造オペレーションを自己適応させ、自律的に最適化することを可能にします。

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