サプライチェーンの透明性によって消費者の信頼を勝ち取る

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April 27, 2021担当 北川 裕康


多くの食品・飲料企業がサプライチェーンの洗練度が異なる多数のサプライヤに依存しています。このため、食品バリューチェーン全体でサプライチェーンの透明性を達成することは、ますます複雑なプロセスとなっています。

サプライチェーンの透明性を得るために必要なプロセスとテクノロジーツールが適切に使われれば、消費者の信頼を築き、食品の安全性を確保し、食品ロスを含めた廃棄物を削減し、持続可能性の主張を支持し、ブランドを強化するという付加価値があります。

リテールガイドの「2021年版:世界の食品トップ10トレンド」を見ると、トレンド1は「すべてにおいて透明性」で、「世界の6割の消費者が、食品がどこから来たかを詳しく知りたいと回答している。食品企業には、原産地や製法について、消費者にクリアに伝えることが求められる。これは過去10年間以上にわたり伸びてきた「クリーンラベル」の概念とも共通する。」と述べています。クリーンラベルとは、「出どころの明確な体に良いとされる原材料を使いましょう」、というトレンドのことを言います。

2010年代のアメリカ西海岸から広まった食に対する考え方であるファーム・トゥ・テーブル「農場から食卓へ」ムーブメントは、単なる一過性のトレンドではありません。高度に加工された食品への需要が減少していることから発展したファーム・トゥ・テーブルは、より健康的で、地元で調達された食品やより倫理的に調達された食品を市場に送り出す消費者主導のシステムになります。消費者が関与したいと思うシステムであり、それは、ラベルを読んで食品の産地を確認したり、ソーシャルメディアでブランドや生産者をフォローして、購入先の企業の持続可能性への取り組みや社会的意識、企業の透明性が自分の信念と一致しているかどうかを確認したりすることと同じくらいシンプルものかもしれません。

しかし、実際に製品が農場から食卓に届くまでには、以下のようなプロセスがあります

農場:家畜は飼育され、乳製品、農産物は生産され、調達されています。

輸送:生きた動物や農産物を工場や加工工場に安全に輸送します。

工場:作業員は、食品を洗浄、切断、準備して、小売店に配送します。

輸送:物流システムは、小売業者への食品の安全かつ効率的な輸送を管理している。

小売業者:食品は、消費者のために季節性と賞味期限に基づいて陳列されている。

そして、ようやく、消費者向けの食品がテーブルに並びます。

このプロセスは単純明快に見えるかもしれませんが、多くの食品・飲料企業は、サプライチェーンの工場やその他の部分をサプライヤや取引パートナーが所有しており、それらのパートナーが複数のサプライヤからの調達を行っているため、透明性を追求する上で何層にも及ぶ複雑さを生み出しているため、実際は難しいことです。この困難を乗り越え、効率的で透明性の高い食品サプライチェーンを実現するには、関係者間の広範な協力と調整が必要です。できればリアルタイムで。

日本では、農林水産省「食品ロス量(平成29年度推計値)の公表について」でみると、食品ロスを含む年間2,550万トンもの食品廃棄物等が出されています。これは、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食糧援助量(平成30年で年間約390万トン)の1.6倍に相当だそうです。透明性の高いサプライチェーンは、この食品廃棄物の削減にも貢献できます。

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