マルチテナント vs. シングルテナント クラウド導入について

Flexibel-financieel-ERP

March 28, 2022担当 北川 裕康

最近、ホワイトペーパー「マルチテナント vs. シングルテナント クラウド導入 インフォアソリューション」をリリースしました。今回は、このテーマを取り上げたいと思います。本ホワイトペーパーは、このページの下のリンクをご参照ください。

ご存じのように、マルチテナント環境は、複数の顧客が同じ共有ハードウェア上の同じオペレーション環境内で同一アプリケーションを使用します。少し難しい言葉では、同じプログラム(=同じバージョン)を、同じ実行環境の中、複数の顧客が違ったインスタンスとして仮想的に使うことになります。これによって、プログラムが変更されれば、すべての実行されるインスタンスが変わるということになります。マルチテナントではない、シングルテナントのクラウド型アプリケーションもあります。これは、クラウド上のManaged Serviceと言え、上記のインスタンスが単一で、他の顧客と共有しない占有型です。運用については、オンプレミス型に近い特徴があります。

マルチテナントのクラウド型アプリケーションでは、新機能が常に自動的に提供されことになります。インフォアではよく、クラウドへ移行することを”最後のバージョンアップ”と言いています。Infor CloudSuiteのお客様は、製品をバージョンアップすることなく、毎月更新される単一バージョンのソフトウェアを活用することができます。ただ、それらの新機能を使うかどうかは、お客様の状況次第になります。
一方のシングルテナント型では、顧客が追加された機能が必要なとき、また、サポートなどの理由により必要に迫られたときにバージョンアップをして、その実行環境を個別でテストする必要があります。

これによりマルチテナントのクラウド型アプリケーションは、導入までの時間の短縮に加えて、新機能がリリースされ即活用できるため、ユーザーが価値を得る時間、すなわちTime to Valueを短縮することができます。そして、マルチテナント環境では、複数のお客様でハードウェア、そして、運用やサポートする人的なリソースも共有されることによって、コストを削減することができます。

このように、マルチテナントのクラウド型アプリケーションのモデルでは、クラウドコンピューティングの利点である俊敏性やセキュリティの向上に加えて、より多くのビジネスユーザーでコストを共有することができるのです。

また、マルチテナント、シングルテナントに関わらず、クラウド環境は通常サブスクリプション型で提供されるため、所有ではなく、使用権を買うということになります。よって、コストの分類は、CAPEXではく、OPEXになります。CAPEXは、英語でCapital Expenditureの略であり、事業の生産性や資産価値の向上を図るための投資コスト・設備投資、すなわち固定資産を指しています。一方、OPEXは「Operating Expenditure」の略であり、事業を運営するために必要な費用のことです。CAPEXを削減することは、投資リスクを解消する上で、重要となります。CAPEXは「投資コスト」と呼ばれることも多く、投資はリターンが必ずしも約束されているわけではありません。新規ビジネスや商品から収益を生めなかったり、利益の回収が遅れたりした場合、CAPEXによる支出は企業の財務状況を圧迫させることになります。そのためCAPEXからOPEXにすることがリスク回避でとても意味があるのです。

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