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データファブリックとは

データファブリックは、データの中に隠れたストーリーをシームレスに結びつけます。点在する情報を統合し、複雑さを解消することで、ビジネス全体でのスマートな意思決定に欠かせないインサイトを引き出します。

データファブリックとは

  • データファブリックの定義
  • データファブリックのアーキテクチャ
  • データファブリックの主な利点
  • インテリジェントなデータ管理
  • データファブリックとデータメッシュの違い
  • データファブリックのユースケース
  • 業界におけるデータファブリックの事例
  • データファブリックの導入方法
  • データファブリックに関するよくある質問
ビジネスのあらゆる領域に、まだ明らかになっていないストーリーを持つデータが隠れています。たとえば、お客様の声、機器の状態、プロセスの効率などです。データファブリックは、エンタープライズ全体にまたがるすべてのデータを結びつけて整理し、統合するためのスマートな仕組みです。これにより、以前はサイロ化や分断されたシステムによって見つからなかった、あるいは断片化されていた有益なデータのストーリーをすべて引き出し、分析して行動につなげることができます。

データファブリックの定義

データファブリックは、多様なデータソース間でデータをシームレスに接続、統合、管理する統合データ管理アーキテクチャです。組織全体で一貫した方法によってデータにアクセスできる環境を整え、信頼性の高いインサイトを提供します。

データファブリックのアーキテクチャの意味と仕組み

データファブリックの真価は、そのアーキテクチャにあります。これは、データに簡単にアクセスできるよう設計され、効率的で相互接続されたシステムです。一般的に中核となる要素は以下のとおりです。

データコネクタと統合ツール

コネクタは翻訳者のようなものです。データベース、IoT センサー、ERP、CRM など、さまざまなシステムの言語を理解します。この事前構築済みのコネクタにより、異なるデータソースを迅速に結びつけ、ファブリック内に情報をスムーズかつ安全に取り込むことができます。

一元化されたデータ管理

データファブリックの中核となるのは、データを管理して保護する一連のサービスです。たとえば、データ品質チェック、定期的な統合タスク、セキュリティルール、一貫したガバナンスポリシーなどです。これにより、データは常に信頼性が高く、すぐに利用できる状態に保たれます。

統合ストレージとアクセスレイヤー

データファブリックは、複数のシステム間でデータを複製するのではなく、仮想的な接続レイヤーを介して、一元的な方法によるデータへのアクセスを可能にします。データが物理的にどこに格納されているかに関わらず、データをシームレスに参照して利用できるため、ストレージコストと複雑さを抑えられます。

セマンティックレイヤーとデータモデリング

混乱を防ぐために、データファブリックはビジネスにおける各定義を標準化し、企業全体の共通言語を構築します。たとえば、「お客様」という言葉が、営業、財務、サポートなどの全チームで同じ意味で使用されるようにします。こうしたセマンティックレイヤーにより、データを正しく理解し、信頼できるようになります。

データ処理とアナリティクス機能

データファブリックは、データの移動と保存だけでなく、有益な分析に向けてデータを整備する役割も担います。組み込みのツールにより、リアルタイムのデータストリーム、バッチ処理、アナリティクスタスクに対応し、より良い意思決定とよりスマートな行動につながるインサイトを提供します。

自動化とオーケストレーション

自動化は、ファブリックの効率を支える重要な要素です。インテリジェントなオーケストレーションは、初期のデータ取り込みから最終的な分析まで、データワークフローがスムーズに機能するようにします。スキーマ変更の同期やセキュリティポリシーの適用といった定型的なタスクは自動化され、チームは面倒な手作業から解放されます。

データファブリックの主な利点

現代の組織は、複数のソースに分散した膨大なデータを扱っています。適切な戦略がなければ、この複雑さが意思決定を麻痺させることもあります。データファブリックはこれらの根本的な課題に正面から取り組み、以下のような大きなメリットを提供します:

一元的なデータアクセス

情報を探し回るのに何時間も費やす必要がなくなり、一貫した方法でデータにすばやくアクセスできます。データファブリックは、異なるソースを結びつけ、お客様、製品、業務を含めたビジネスの全体像を掴めるようにします。

アナリティクスとインサイトの向上

アクセスしやすく、一貫性のある構造化されたデータにより、アナリティクスのスピードと精度が向上します。データファブリックは、分析にすぐに利用できる情報を提供し、予測の精度を高め、インサイトをすばやく提供することで、よりタイムリーなイノベーションにつなげます。

業務効率の向上

日常的なデータ管理タスクは、データファブリック内で自動化できます。これにより、手作業が減ってエラーのリスクが低下し、データチームは回避可能な問題のトラブルシューティングに追われることなく、戦略的な業務に集中できます。

拡張性と柔軟性

データファブリックは組織の成長に合わせて拡張し、新しいデータソースを簡単に統合できます。新しいクラウドプラットフォームへの拡張や、IoT デバイスの追加といった場合にも、データインフラストラクチャは堅牢で応答性の高い状態を維持します。

強固なガバナンスとセキュリティ

データファブリックは、データを仮想的に一元管理することで、ガバナンスをシンプルにします。一貫したセキュリティルール、明確なデータ来歴、厳格な品質管理を徹底しやすくなり、コンプライアンスを確保しながら信頼を維持できます。

インテリジェントなデータ管理

データファブリックが従来の統合アプローチと異なるのは、メタデータ、AI、自動化によって支えられたインテリジェントなコアを備えている点です。では、データインフラストラクチャを動的かつ未来を見据えた仕組みにしたこのインテリジェントなレイヤーをご紹介します。

  • メタデータとは
    簡単に言えば、メタデータは「データに関するデータ」です。データがどこから来たのか、何を意味するのか、誰が使用しているのか、他の情報とどのように関連しているのかなどを示します。データ活用の道標となる詳細な地図のようなものです。
  • スマートで自動化されたデータカタログ
    データファブリックはメタデータを自動的に収集して更新し、インテリジェントなデータカタログを作成します。AI を活用したこのカタログは、データを継続的にインデックス化してタグ付けするため、手動検索で時間を無駄にすることなく、必要なデータを的確に見つけられます。
  • 関係性を可視化するナレッジグラフ
    データファブリックは、AI を使用してメタデータを分析することで、ナレッジグラフを構築します。ナレッジグラフとは、異なるソースにまたがるデータ間の関係性を示す視覚的なマップです。ビジネス部門の担当者からアナリストまで、誰もが各データポイントのつながりをすぐに把握でき、分析の精度が高まり、より有益なインサイトを得られるようになります。
  • 保存機能にとどまらないアクティブメタデータ
    データファブリックは、メタデータを単に保存するだけでなく、積極的に活用してデータ管理を最適化します。AI はデータの使用パターンを継続的に分析し、品質に関する問題を特定して、改善策を提案します。さらに、ユーザーが認識する前にニーズを予測できます。
  • 自動化されたデータ統合と準備
    データファブリックは、時間の経過とともにデータパターンとユーザーインタラクションを学習します。定期的な統合および準備タスクを自動化し、手動による監督なしで変更に対応します。たとえば、ソースデータベースのスキーマが変更された際、データファブリックは統合ロジックを自動的に調整し、データの整合性と正確性を確保します。

データファブリックとデータメッシュの違い

データファブリックとデータメッシュはどちらも、さまざまなデータセットから得られる価値を最大化することを目的としていますが、いくつかの重要な違いがあります。

  • アーキテクチャと組織
    データファブリックは主にテクノロジー主導のソリューションであり、組織全体が一貫した方法でアクセスできる、統合されたデータレイヤーを構築することに重点を置いています。つまり、人体に例えるなら、データをつなぐ結合組織のようなものです。一方、データメッシュは所有権を重視しています。個々の事業部門が自らのデータを「製品」のように管理し、共通の基準とガバナンスに基づいて社内で共有します。
  • 一元的なアクセスとドメイン所有
    データファブリックは、組織全体のデータをつなげて統合することを目指し、通常はデータに関する責任を担うチームによって管理されます。一方、データメッシュは責任を分散させ、マーケティングや財務などの各チームが、個々のデータを直接所有して管理できるようにします。
  • 補完的なアプローチ
    両方の概念は必ずしも競合するものではなく、互いに補完し合うことができます。データファブリックは、データメッシュを支える技術基盤として機能します。強力な統合、メタデータ管理、データ探索ツールを提供することで、各業務領域のチームがデータを効果的に共有および管理できるよう支援します。

アーキテクチャに関連する概念 

  • データレイクとデータウェアハウス 
    以前のデータストレージは、スプレッドシートのように、分類された行と列を持つ線形構造が一般的でした。データレイクは、ソースから取得した生データを線形構造に変えることなく、そのままの形で保存できることから、その名が付けられました。動画ファイルやお客様のレビューなど、本来は分類しづらいデータにも対応しています。データウェアハウスもまた、多様な種類のデータ (非線形構造を含む) を大量に保存できますが、それらを構造化および要約された形式に処理するため、データがより取得しやすくなります。
  • データレイクハウス 
    「レイクハウス」とは、データレイクの柔軟で拡張性のあるストレージ機能と、データウェアハウスの構造化されたクエリおよびアナリティクス機能を組み合わせたものです。これは、データファブリックアーキテクチャによって実現されるより統一されたプラットフォームで、データの評価と取得が簡単にできるようになります。
  • データ仮想化 
    データ仮想化は、データファブリックでよく用いられる手法で、データをソースに保持したまま、リアルタイムでクエリを実行できるようにします。必要になるたびにデータを物理的に移動させるのではなく、仮想化によってソース内のデータに直接アクセスするため、処理速度を損なわずに最新のデータを利用できます。

データファブリックのよくあるユースケース

データファブリックアーキテクチャのよくある活用シナリオは以下のとおりです。

お客様の 360 度ビュー

CRM データ、カスタマーサポートのやり取り、デジタルチャネルを単一のビューに統合することで、お客様をより深く理解できます。質の高いデータは、パーソナライズされた顧客エクスペリエンス、ターゲットを絞ったマーケティング、迅速なサービス提供を可能にします。

リスク管理

取引データ、ログ、外部の脅威情報を統合し、AI を活用したアナリティクス機能で異常を検知します。潜在的な不正行為に迅速に対応することで、お客様と組織の評判を守ります。

予知保全

リアルタイムのセンサーデータ、保守ログ、運用記録を取得し、統合ビューで管理します。機器の故障を事前に予測し、予防保全を計画することで、コストのかかるダウンタイムを削減できます。

需要予測

販売データと在庫、市場トレンド、さらには外部要因 (天候など) を統合します。需要予測は継続的に更新されるため、お客様のニーズをより的確に捉え、サプライチェーンを効率的に管理できます。

ワークフォースアナリティクス

従業員のパフォーマンス、給与、アンケートなど、点在する人事データを統合することで、ワークフォースに関する状況をより明確に提示します。これにより、トレーニング、エンゲージメント、採用、定着率向上に向けたより効果的な戦略を策定できます。

規制コンプライアンス

一貫性のあるガバナンスと自動化されたレポート作成を活用し、データ来歴を追跡しながらコンプライアンスルールを徹底します。データファブリックを利用することで、監査対応を効率化し、規制要件を常に満たせるようになります。

各業界におけるデータファブリックの活用事例

ビッグデータを管理・活用する能力は、現代の主要なあらゆる産業分野にとって不可欠な要素です。以下にいくつかの例を挙げます:

自動車

自動車メーカーは、変動の激しいサプライチェーン、厳格な品質基準、急速に変化する消費者のニーズへの対応に迫られています。データファブリックは、生産ライン、品質システム、ディーラーネットワーク、車両センサーなどのデータを統合し、リアルタイムで状況を可視化します。そのため、問題へのすばやい対応、供給不足の予測、迅速な調整が可能になります。これらはすべて、ジャストインタイム生産にとって不可欠な要素です。

流通

流通業者は、倉庫、物流、サプライヤー、販売チャネルなどの断片化されたデータを管理しています。データファブリックはそうした情報ソース全体を一元的に可視化するため、ボトルネックのすばやい特定、在庫の最適化、ルートやフルフィルメント業務の迅速な調整が可能になります。情報の明瞭さが、確かな競争優位性につながります。

食品・飲料

食品・飲料業界では、品質と安全性が何よりも重要です。データファブリックは、サプライヤー、温度センサー、ERP システム、ブロックチェーン追跡からもたらされるデータを統合します。企業は迅速なロット追跡、規制コンプライアンスの確保のほか、品質問題への的確な対応を通じて、消費者からの信頼を確実に守ることができます。

ファッション

ファッション業界は、短い製品サイクルと絶えず変化する消費者ニーズに対応していく必要があります。データファブリックを使用することで、販売、E コマース、ソーシャルメディア、生産システムなどのデータを統合でき、ブランドは最新のトレンドや在庫パフォーマンスに関するリアルタイムのインサイトを得られます。そのため、意思決定の迅速化、廃棄物の削減、アジリティの向上を実現できます。

航空宇宙・防衛

航空宇宙・防衛業界では、厳格なセキュリティ、コンプライアンス、即応性が不可欠です。データファブリックは、エンジニアリング、サプライチェーン、フリート運用、コンプライアンスに関するデータを安全に統合します。これにより、知的財産の保護、規制レポートの効率化、機器の予知保全が可能になります。

産業用製品製造業

産業用製品製造業者は、複雑な業務プロセスと相互に強く依存するグローバルサプライチェーンを同時に管理する必要があります。データファブリックは、センサーデータ、保守ログ、生産スケジュール、品質指標を単一のビューに統合することで、非効率の特定、故障予測、品質管理の効率化、イノベーションの加速を可能にします。

データファブリックアーキテクチャを導入するには

データファブリックを全社的に導入することは大きな価値をもたらしますが、真の意味での改革には時間がかかります。重要な事業構想と同様に、成功には綿密な計画、オープンなコミュニケーション、達成可能なマイルストーンが不可欠です。ここでは、統合されたデータ管理に向けて取り組む際に考慮すべき、いくつかの基本的なステップをご紹介します。

  • データ環境の評価
    現在のデータ環境を明確に把握し、重要なソース、統合ポイント、課題を特定します。現状を理解することで、今後の適用範囲と目標が明確になります。
  • 目標とガバナンスの定義
    インサイトの迅速な取得やコンプライアンスの向上など、明確なビジネス目標を設定します。また、データ品質、セキュリティ、プライバシー、データスチュワードシップに関するガバナンスルールを早期に確立させます。適切なガバナンスは信頼の基盤となります。
  • 慎重なアーキテクチャ設計
    統合、メタデータ、アナリティクスに使用するプラットフォームを見極め、ファブリックのアーキテクチャを慎重に設計します。主要なデータソースに絞ったパイロットプロジェクトを実施することで、具体的な ROI を短期間で示せるようになります。
  • データの段階的な統合
    システムに負荷をかけすぎないよう、まず主要なデータソースを優先的に統合します。データソースを段階的に統合する中で、プロセスを改善し、各段階でガバナンスを適用することで継続的な改善を図ります。
  • メタデータ活用の自動化
    AI と機械学習を利用して、統合やデータ準備タスクを自動化します。これにより、作業負担が減り、データワークフローが加速し、データの信頼性が継続的に高まります。
  • セルフサービスアクセスを可能に
    検索可能なカタログ、ダッシュボード、API など、チームがデータファブリックに直感的にアクセスできる手段を提供します。セルフサービス機能により、IT 部門を経由するというボトルネックが解消され、主体的なデータ活用が促進されます。
  • パイロット、テスト、反復
    実装は反復的なアプローチで進めます。まず対象を絞ったパイロットプロジェクトから始め、積極的にフィードバックを収集し、継続的に改善します。初期の成功体験は組織に自信をもたらし、導入の拡大につながります。
  • チームのトレーニングとサポート
    導入を成功させるには、技術だけでなく、トレーニングや明確なコミュニケーション、継続的なサポートへの投資が必要です。初期の成功を祝い、社内の推進役を育成することで、データ駆動型の組織への変革を加速させることができます。

結論

強力なチーム、優れたカスタマーサポート、規律が保たれた運用が重要であることは変わりません。しかし今日では、綿密なデータ戦略も同じくらい重要であり、実際、これは企業の存続に関わる要素となっています。データが組織全体で的確かつスムーズに活用される環境では、新たな機会が生まれ、隠れた効率性が明らかになり、従業員は明確な意思と自信を持って業務に取り組むことができます。データファブリックは、これらすべてを実現する基盤です。

インフォアのデータファブリックツールが、大規模なストレージ、クエリ、処理機能によって、企業データの価値をどのように最大限に引き出すかをご紹介します。
インフォアのデータファブリックツールをご覧ください

データファブリックに関するよくある質問

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