途切れないサプライチェーンを実現するためのプランニング能力の強化

supply chain management

January 24, 2022担当 北川 裕康

IBP、S&OPといったプランニングや需要計画の分野が、日本でも注目されています。これからの製造業のビジネスのプランニングは、コネクテッド、インテリジェント、そして継続性がテーマになります。しかし、多くの企業では、このテーマから遠く離れており、実現不可能と思われがちです。多くのプランニングのプロセスは、サイロ化され、実行から切り離されているため、非効率に感じられることもありませんか?

当社がサポートさせていただいているグローバル企業でプランニングの状況を評価したところ,多くの組織が,プランニングに対して脱サイロ化,ネットワークベースのアプローチに移行するテクノロジーを採用していることがわかりました.このような企業では,プランニング機能を、「真実の単一バージョン」(a single version of the truth)を基盤にすることを第一の目標としています。要するに、各種のデータを集約して、それだけを信頼する単一のデータビューを作り上げるのです。このようにプランニング機能を最適化するには、企業レベルだけでなく、より広範なサプライネットワークへの接続を実現することが重要です。

そのためには、統合ビジネスプランニング(IBP)やセールス&オペレーションプランニング(S&OP)を使って、売上、利益の最大化を目標に、社内・外のコラボレーションと包括的なデータ分析を行い、需要計画を実行して予測を改善し、供給計画を最適化し、同期を促進することが必要です。これらの各領域は、プランニング・プロセスの成功に不可欠であり、ネットワーク上で統合され、接続されることによって、より強力になります。

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それぞれのプランニング・プロセスについて、より詳しく見ていきましょう。

目次

  • 統合ビジネスプランニング(IBP) / セールス&オペレーションプランニング(S&OP) / セールス&オペレーション・エグゼキューション(S&OE)
  • デマンドプランニング
  • 供給計画
  • 生産スケジューリング

統合ビジネスプランニング(IBP) / セールス&オペレーションプランニング(S&OP) / セールス&オペレーション・エグゼキューション(S&OE)

デジタルサプライチェーンにより、より多くのリアルタイムデータが利用可能になると、S&OPによる売上・収益のための業務改善が可能になります。可視化が進むと、実際の売上と生産計画のズレなど、課題が見えてきます。S&OPシステムは、需要と供給を同期させ、不均衡を特定し、営業部門やビジネスユニット間で解決策を調整するように設計されています。

さらに、S&OPは、再計画が行われる前に、プランナーやマネージャーが主要なパフォーマンス指標を理解することを可能にします。特に、マルチエンタープライズ・ビジネス・ネットワークを活用してプランニングとS&OEプロセスを接続し、S&OEにサプライヤーの更新数量と機械学習ベースの到着予定時刻(ETA)を組み込むことができれば、サプライチェーンが非サイロ化するにつれて、プランニングも変革される可能性があります。より最新で正確なデータを使用することで、プランナーは、最もフラストレーションのたまるプランニングの問題、つまり、過去のデータではなく現在の状況に基づいて計画を調整することができます。

デマンドプランニング

需要計画の面でも、大きな改善が進んでいます。統計的な予測計算、新製品のシームレスな発売、プロモーションや季節性の管理、安全在庫の決定まで可能な需要計画ソリューションを導入することができるようになったのです。機械学習(ML)や人工知能(AI)を活用することで、統計的な予測を、過去の予測よりも最大10倍まで高めることができるようになってきています。需要計画プロセスのデジタル化により、顧客市場別の具体的なニーズに基づいて正確に計画を立てることが可能になりました。

供給計画

供給計画の基本は、供給計画と在庫計画の両方を実行し、能力、材料、在庫、流通の最適化された制約のある計画を作成し、合わせて補充を行うことです。供給計画の改善により、在庫の削減とバランスの取れた注文の履行が可能になります。供給計画では、在庫政策を最適化し、適切な製品を適切な場所に割り当てることができます。

生産スケジューリング

生産スケジューリングツールは、工場全体のスケジュールを同期させ、人的な資源、シフト計画、清掃要件などの独自の基準に基づいて順序を最適化します。工場を運営するシステムは、ますます統合され、人、能力、製品にまたがる最適化を可能にする必要があることは明らかです。生産スケジューリングは、多くの場合、特定の業種に非常に特化したものです。いずれにせよ、生産スケジューラーの最も重要な能力は、製品、人、設備に関する制約条件です。

計画プロセスの目的はほとんど変わりませんが、適切な方法とソリューションを導入することで、望ましい結果を得ることができるようになりました。企業は、企業内およびネットワーク全体のプランニング・プロセスを改善することができれば、サプライチェーンの他のエリアにもその恩恵を及ぼすことができます。

サプライチェーンマネジメントの方向性について詳しくは、「Infor Supply Chain Planning製品カタログ」ご覧ください。

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