地球にやさしさを:食品・飲料企業が真の違いをもたらすには

chefs working on a tablet

November 3, 2021担当 北川 裕康

 

日本にいると実感が少ないですが、世界の人口は、2050年には97億人になると予測されています。増加率は1967年をピークに低下していますが、年々、この2050年の人口予測は増えてきています。国連食糧農業機関によると、これを支えるためには、食糧生産量を60%増やさなければなりません。その一方で、世界では食料の3分の1が廃棄されており、その量は増え続ける一方です。もし、食品の廃棄や損失を25%削減できれば、約5億人分の食料を確保できることになります。

国連の「持続可能な開発目標」(SDGs)に賛同し、食品廃棄物の削減に取り組む食品・飲料メーカーが急増していますが、その多くは非効率的な方法で失われています。例えば、農場では奇妙な形の果物が排除され、海外への輸送中には冷却の不具合で腐敗が起こり、スーパーマーケットでは需要と供給のバランスが取れずに結局捨てられてしまうことがあります。また、賞味期限が過ぎてしまったために、まったく問題のない食品が廃棄されてしまうこともあります。

また、地球温暖化も深刻で、毎年のように災害級の雨に見舞われており、CO2削減は命題になっています。そのためにはカーボンフットプリント(CFP)の管理・削減が重要です。CFPの算定結果をラベル化するプログラムも始まっており、ラベルを張る食品が増えてきています。

店内

このように、廃棄物をなくして、CO2排出を抑える地球に優しい食料を供給することは、プレミアム食品とコモディティ食品の両方にとって複雑な課題となっています。この大きな問題を解決する鍵は、農場から食卓までのサプライチェーンの透明性とデータの共有にあります。プレミアム食品の場合、消費者は食品の血統に関するデータを見て評価したいと思っています。一方、コモディティ食品の場合、廃棄物を減らしてコスト効率を上げるためには、食品のサプライチェーンからのデータが必要です。

食材の品質やグレードに透明性があれば、例えば青くてまっすぐなバナナや曲がったキュウリを無駄にすることなく、食品加工に回すことができます。外出先のコールドチェーンで理想的な温度が計測され、完璧な配送が可能になれば、スーパーの棚に長い「賞味期限」を表示することができます。

地球に食料を供給するための効率的な方法は、フードサプライチェーンから情報を収集し、人工知能(AI)を適用して自動化されたよりスマートな判断を促すデジタルプラットフォームを使用することです。その一例として、農場で生産された農産物や加工時の品質属性を把握することで、供給と需要を最適な形で一致させ、無駄を省くことができます。

また、機械学習アルゴリズムを用いて、賞味期限を動的に判断し、価格を調整する例もあります。商品の残りの賞味期限に基づいてダイナミックに価格を設定するスマートシェルフを導入した食料品店では、廃棄物が3分の1に減少したと報告されており、機械学習アルゴリズムが時間とともに賢くなるにつれて、この節約効果は大きくなると予想されています。これらはすべて、廃棄物の削減、コストの削減、収益の増加、そして幸せで豊かな食生活を送る消費者へとつながっています。

テクノロジーはすでに完成しています。あとは、食品・飲料加工業者がこのソリューションを活用して、地球への食糧供給とビジネスの健全性の向上を同時に実現するだけです。農場から食卓まで、持続可能な食の未来を創造するための詳細については、こちらをご覧ください。

農場から食卓まで~持続可能な食の未来のために
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